「文部科学大臣賞」を受賞して


 記念すべき第四十回日本染織作家展において、「文部科学大臣賞」を賜りまして喜びの気持ちで一杯です。今までお世話になって参りました多くの皆様に心より感謝申し上げます。

 今回の作品は型染技法を用いて、雪山を表現致しました。雪山の下には春を待ちわびて竹の子がギッシリと埋まっている訳です。雪山をエネルギーの塊と捉えました。そこでそのエネルギーを舞子ちゃんの若さと重ね合わせて表現してみました。色は舞子ちゃんから発想しました。

 朱は祇園一力亭の赤壁、竹の子は舞子ちゃんの黒髪、竹の子の葉脈は黒髪の艶、利かし色の青は、舞子ちゃんの締めていた帯締めの色、そして効果的に使っている生地白は舞子ちゃんの肌の色という風にです。エネルギーと若さがイメージ化された「命燃山」、まさしく私の独特な発想から生まれた創作着物です。

 近い将来、着物に関する事が無形文化遺産に登録されると聞きました。だからでしょうか?山、竹の子をほとんど三角形に見立てて、リズミカルに展開したこのポップな作品を海外に発信したいというお仕事が舞い込んで参りました。

 ことりみゆきの作品は、海外を振り向かせる事になるのでしょうか?ことりみゆきは、この先どこまで飛んで行くのでしょうか?本人も推測できません。

 とにかく、私がやるべき事は、自分にしかできない表現世界を、着物というキャンパスに思いきり描き続けていく事なのです。