「大阪高島屋賞」を受賞して

 

 この度は、大阪高島屋賞をありがとうございました。心から嬉しく思います。

 受賞作「竹の子の子」は、これから竹になろうとしている竹の子の溜めているエネルギーを、竹の子の中に「子」をギッシリと描くことで表現してみました。また、生命を生み出すための掛け合わせのイメージが巨大な逆さまの竹の子を出現させました。この巨大竹の子の中から竹の子の「子」がポロポロと飛び出してゆきます。これは、竹の子の「子」の巣立ち、すなわちエネルギーの放出をイメージしています。竹の子というモチーフを使って、エネルギーの生成、蓄積、発散までの推移をユーモラスに表現してみたのです。

 「イメージを形にする事がアートである。」と、美大生の頃、読んだ本の中に見つけました。以来、頭の中にこの言葉が常にあって、私の作品制作の土台となっています。

 今回の作品は、芸術系大学の先生方、デザインを徹底的に追求していらっしゃる作家さん達、海外のアートに親しんでいらっしゃる方々に大変好評でした。私は非常に嬉しく思っています。なぜなら私はいつもアーティストという存在でありたいと思っているからです。

 これからも、アートと工芸の境界線にある観る人達がハッと思って心に焼きついてしまうような作品作りに励んで参りたいと思っております。このような作品を通して、混沌とした現代社会に生きる人達に、僅かながらでも「夢」と「希望」をもたらす事が出来たら幸いです。

 最後になりましたが、私の作家性に深いご理解を示して下さいましたなんば高島屋さん、いつもお世話になっております先生方、皆様そして家族に心から感謝申し上げます。これからもガンバります。