「協会奨励賞を受賞して」

 

この度は協会奨励賞を受賞させてくださいまして本当にありがとうございました。いつもお世話になっております協会の諸先生方に心より感謝申し上げます。

 「輪廻」は、バラををモチーフに使って命の流れを表現した作品です。巨大な背景のバラを命の根源とし、その周りを中と小のバラがコロコロと旋回する様は、命が絶える事なく次々に生まれ換わり続けていく様子を表しています。

 今回作品作りで、私は大きなテーマを持っていました。それは、温故知新の精神に基ついた作品作りです。例えば、西洋のバラの花を日本古来から続くミニマムアートである家紋風に仕上げてみた事が第一の試みです。第二の試みは、摺りびったから発想を得て、花(バラ)

びったを作ってみた事です。

 「輪廻」は、これらのテーマに添ったデザインと、友禅染、シルクスクリーン技法の技術を駆使して製作しました。

 この様に実験的に作らせて頂いた作品が、今回、協会奨励賞受賞という形で評価されました事、心から嬉しく喜びで一杯です。また、これからの着物作りに対する大きな自信と確信になりました。

 これからも、着物文化を次世代繋げてゆく橋渡しになる様な作品作りを心掛けてゆきたいと思います。また、その事こそが、自分に課せられた使命であると自覚しております。ガンバリますので、諸先生方、どうかご指導よろしくお願い申し上げます。

 

                                  (プライバシー保護のため、本文を一部変更しております。)